映画館より愛を込めて(183)

「NPO法人シネマ尾道」代表理事 河本清順

地方と東京の距離と時間

 だんだんと夏が近づいてきましたね。今年は例年以上に花粉症がきつくて大変ですが、季節の変わり目、皆様もどうか体調管理に気をつけてお過ごしください。
 「この映画はいつ上映予定ですか?」という問い合わせを多くいただきます。監督や俳優が舞台挨拶に登壇したニュースや映画情報などが流れると、電話が殺到することもしばしばあります。
 シネマ尾道では、概ね東京公開から1~2か月後の公開、業界用語では「セカンドブッキング」のタイミングで映画を上映しています。東京から五大都市、その後各地方で公開という映画業界の暗黙の流通ルールでそういった流れになっていることを、開館当時は「地方の映画館はハンディキャップがある」と感じていました。
 しかしながら、10年以上映画の興行をやっていくうちに、その東京との距離が、地方の映画興行にとって利点だということに気づき始めました。利点を具体的に挙げれば、Aという映画を東京で上映し、その客入りや客層の市場調査することで、各館で上映するかどうか、上映した時に何週間上映でどの時間帯に組めばより集客できるかを判断することができます。また、現在のSNSなどのネットの力を活用して、口コミや評判で来場者数が伸びていく映画のブームとタイミングに乗って公開をすることでより多くのお客様を来場させることができます。
 そしてもうひとつ。地方の映画館は、都市部で観逃した映画を追いかけて旅ができるメリットがあります。『東京物語』で小津安二郎監督が、尾道をロケ地に選んだ理由が「東京からの距離」だったように、地方と東京の程よい距離と時間は、地方を活性化させる鍵であり、世に素晴らしいものが生み出せる可能性を秘めていると感じています。

シネマ尾道外観写真

シネマ尾道上映スケジュール

●5月18日(土)~5月24日(金)
ミツバチのささやき 9:00~ エル・スール 10:55~
ローマの休日日本語吹替版 12:45~ ゴールド・ボーイ 15:00~
●5月25日(土)~5月31日(金)
ジョン・レノン 失われた週末 9:00~ 瞳をとじて 10:50~
ローマの休日日本語吹替版 13:55~ 水深ゼロメートルから 16:10~

「シネマ尾道」 
公式サイトURL http://cinemaonomichi.com/
尾道市東御所町6-2 TEL(0848)24-8222

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2024-05-20 | Posted in 2024.5.20号No Comments »