2024.4.1号 こぼれ話
尾道市にある古刹浄土寺で毎年恒例の「尾道薪能」が5月11日(土)18時から上演される。浄土寺は足利尊氏と縁の深いことが知られている。寺紋「二つ引両」は足利家の家紋と同じ。南北朝時代初期の建武3(1336)年、京都の合戦に敗れた尊氏は西国へ逃れ、この際に浄土寺を訪れ、本尊に戦運の挽回を祈願した。尊氏による備後国得良郷の地頭職の寄進や、九州での勝利後の再訪などがその関係を物語る。浄土寺内には尊氏が参籠した部屋や彼に関する遺物が保存され、観音信仰の深さを伝える。尊氏が残した多くの遺物と遺文は「信仰の武人」としての彼の面影を今に伝えている。
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2024-03-28 | Posted in 2024.4.1号 | No Comments »