2024.1.10号 こぼれ話
はっさく農家の
可能性を見出す
Slow Base Shimanamiの丸山邦夫代表からメールが届いた。彼の活動は気になっていたが、しっかり実を結ばれているのでご紹介したい。
—私たちは高齢化で栽培や出荷ができなくなったはっさく農家のボランティアを3年続けて行っています。因島三庄に1反のはっさく畑をもつ78歳のおばあちゃんが、60本あるはっさく畑の作業をするには一人では難しいことを聞き、栽培のお手伝いをはじめました。
しかし農業を全く知らない私がかんきつ栽培などできるはずもなく、知り合いの熟練農家からの指導を仰ぎ栽培を始めました。
農薬を使わない栽培を目指したのはいいのですが、黒点などの病気になったはっさくがたくさんあり、良品率は50%くらい。さらに売り先も少なく半分は腐りました。そして昨年は、病気対策、販路開発、不良はっさくの使い道を考案して完売することができました。
はっさく栽培の手伝いを通じてわかったことが2つあります。人手が足りないことと、儲けが少ないことです。私は収穫ボランティアを募り、60人の仲間たちがボランティアで収穫を手伝ってくれています。
ボランティアに一度で来てくれた方々はほとんどがリピーターとなり、収穫を手伝います。そしてボランティアの人たちはアンバサダーとなり、はっさくを販売してくれるのです。
売上数の約半分はアンバサダーによる販売です。あとの半分は、ECサイト、つまりインターネットでの販売です。たくさんのはっさくを売るためには、いかにB級品を売るかが大切になります。スーパーのフルーツコーナーに並ぶようなきれいなはっさくではなく、傷やヘタなしや汚れのあるものを「ちょいワルはっさく」とブランド化して、見た目が悪くても中身はおいしいことを伝えていきました。今では、売り上げの6割が「ちょいワルはっさく」となりました。
これからもこのような畑をみんなで盛り上げ、移住して就農したいという若者にバトンタッチしたり、はっさくの認知度の拡大やブランド化をしていければと考えています—(M)
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