福大発 エンジニアリングの今と未来
福大発 エンジニアリングの今と未来
第22回 「学生の声が聞こえてきます」
皆様こんにちは、福山大学の香川直己です。福山大学工学部のご紹介を通じて,未来を見据えたエンジニアリング教育について触れています。
福山大学では、6月22日(月)からの対面授業を主とした授業が始まりました。 キャンパスから学生の声が聞こえてきます。当たり前であるはずのこのフレーズがとても尊く感じられます。
面白い研究結果に思わず近づきたくなる!対面授業を再開して概ね1か月になりますが、綿密な打ち合わせに基づく研究のための実験、学修のためのチームワークによる実験や実習など、オンラインでは実施が難しい取り組みを久しぶりに再開できる喜びを、教員も学生も日々感じているのではないかと思います。三密を避けるためのソーシャルディスタンスは気にしながらも、現実の空間を自分以外の人と共有して課題解決に協働で取組める嬉しさや楽しさが、その課題の持つ煩わしさを遥に凌駕しているかのようです。私が知る限り、仲間とともに授業や実習に学生の皆さんが取り組む姿は、朗らかでとても真摯です。
そのような授業風景の写真を、今回はいくつか取り上げていますが、学生がそれぞれノートパソコンを持って授業や実験に参加していることにお気づき頂けましたか?この度の遠隔授業を経験して、学生は自分のパソコンをこれまで以上に効果的に使いこせるようになってきたように感じます。久しぶりに対面した1年次生が淀みなくパソコンを使い課題を行う様子に、少し感動を覚えました。ノートパソコンのような個人所有の携行情報端末を持ち込み、私的利用以上の事に活用することはBYOD(BringYourOwn Device)と呼ばれ、日本では情報通信技術(ICT: Informa tion and Communications Tec hnology)を活用する一つの方略として、教育現場への導入も進められています。福山大学もそれを推進しており、特に、工学部は将来的にICTの技術や運用の根幹に携わる学生も多く、組織としても、自分の体の一部のごとくICTを活用することで、進化し続けるICTの長短を知りつくしてゆくことも求められるでしょう。然るに、情報端末は安いものではありませんから、それを用いることの価値や優位性を学生が得心できる環境を提供することが必須になります。もし、図らずも遠隔授業を実施することになったことで、否応なしにBYODを選ばざるを得なかったのであれば、対面授業との長短の比較ができる今、それを検証し、対面授業との共存の中におけるBYODの効果的な活用を追求する必要があるでしょう。それは、個々の授業の構成、課題や評価の在り様だけでなく、教育プログラム全体にも影響を与えるかもしれません。
著者:香川直己
岡山県出身 岡山大学工学部電子工学科/岡山大学大学院自然科学研究科博士課程システム科学専攻修了 博士(工学) 1993年 福山大学 工学部助手、講師、准教授を経て2007年同教授。現在工学部長補佐。
専門分野:電子機器学
社会活動:ETロボコン中四国地区実行委員長 中四国学生剣道連盟 教育担当理事
所有資格:第一級陸上無線技術士、電気通信主任技術者、第三種電気主任技術者
剣道 錬士六段
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